1000年以上続く日本の署名文化「花押(かおう)」とは? その由来や意味を知り「花押」を体験してみましょう

働き方が変わる今、自分の道が見えにくくなっていませんか?
唐突ですが、そんなあなたにおすすめなのが「花押(かおう)」の和文化体験です。

ところで、みなさんは「花押(かおう)」をご存知でしょうか?

簡単に言うと、花押とは一文字に願いや想いをこめてつくる、その人を現す署名になります。自分の花押を見たり書いたりするたびに、なりたい自分と向き合える素敵なアイテムです。

社会や職種がどんどん変化する流れの速い時代に、花押という和の文化にふれることで、ちょっとしたキャリアリフレクションができるのです。

今回は、そんな花押の世界を詳しくご紹介させていただきます。

「花押」の意味

花押(かおう)はその人を現す署名のことです。
日本では1000年以上の署名文化が続いています。
花押は、空海や源頼朝、足利尊氏、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、などの歴史上の人物たちだけでなく、江戸時代には一般庶民も花押を使用していました。今でも花押は一部の閣僚や総理大臣などの間で使われています。
1000年以上も歴史がある花押の由来をみていきましょう。

「花押」の由来は

苗字ではなく、名前の草書を崩して、アレンジしたものが花押になったと言われています。

花押の語源は「書いた花押が花の様に見えたからと言われています。ちなみに「花押」の「押」は「署名」の意味を持ちます。花押が「花のように美しい図形」だったことから花押と名づけられました。

日本で最古と言われている花押は東寺(とうじ)の「承和(じょうわ)12年(845年)11月15日の文書」にて確認されている伊勢の大掾(だいじょう)紀氏(きうじ)の花押と言われています。

花押はその時代時代の状況により様々な進化をしていきます。

「天皇」「武士」「大名」だけが使っていた花押はしだいに「貴族」も使うようになります。戦国時代には、密書の署名、富を分配するときに必要な署名として活躍してきました。「武士」や「僧侶」など文字を持つ時代の権力者の影響力と共に、花押は広がりをみせていきます。このことから花押はインテリ層が使う署名だったことがわかります。

花押は時代により流行の形があります。花押をたくさん並べてみると、一族で形が似ていることがわかり、一族の派閥も見て取れます。

禅僧の花押は直線や丸を組み合わせたシンプルなものが多く、戦国武将の花押は個性が強いです。また一文字に願いや想いが込められたものや、茶人や文化人の花押には絵文字のようなユニークな形があります。江戸時代には徳川家が使用したことで、明朝体という形が大流行しました。

「花押」を持つことは昔からステータスだったのでしょう。個性的で美しいだけでなく、書いた人の生き様や美学までもが見えるところに「花押」のロマンがあり、自分の花押を持ってみたいと思います。

自分の「花押」を作る方法とポイント

実際に、花押はどのようにつくるのか方法をご紹介していきます。
花押の書体には草名体、二合体、一字体、別用体、明朝体があります。

・草名体(自分の名前からつくります・本名や芸名など)
・二合体(名前だけでなく、雅号や家号、苗字などから気に入ったものを選んで組み合わせ、さらに崩した書体)
・一字体(名前とは全く関係なく、自分の好きな縁起の良い文字を選んで花押とした書体)

(※苗字だけで作る花押はNGです。ただし、苗字の一文字に意味がありその想いから作りたい場合は一字体のカテゴリーとなります。)

書体が決まりましたら、花押の作りかたに入ります。作り方は、辺とつくりを並べ替え、取捨選択し簡略化して、ある部分だけを強調するデザイン書道のようなものです。

座学で花押の歴史と成り立ちを学びます。次に有名武将の花押をなぞることで、自分の好きな形を知ります。形を知ったらその形に、自分の選んだ文字を組み合わせてデザインしていきます。デザインのイメージは会社のロゴづくりを想像するとわかりやすいでしょう。

・花押にする文字を1文字選ぶ(自分の名前・又は想いや希望から)
・好きな型を決める(○・△・□)
・筆ペンで花押の構成をする
・毛筆で花押を書いて清書する
講師による指導があるため自分の花押を簡単につくることができます。

花押でキャリアリフレクション

花押の世界はいかがでしたでしょうか。流れの速い日常から離れ、花押を通じて「どんな自分になりたいのか」と向き合う時間はちょっとしたキャリアリフレクションになります。

花押に込める願いを考えることで、自分の進む道や想いを改めて考えるきっかけになり、自分の個性を確認できるきっかけを得られるでしょう。

モノからコトへシフトしている時代の流れに乗っている花押を手にする人は今後ますます増えていくと思います。

自分の花押を作ってみたい方は、日本花押協会の「伝統花押講習」を受講することで作ることができます。「伝統花押講習」受講終了後には、自分の花押が入った修了書が発行されます。

人生の目標などからあなたの花押をつくるのもよいかもしれません。

ご興味のある方はこちらから
http://kaou.or.jp/
一般社団法人日本花押協会

文:日本花押協会 常務理事 栗原裕子

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