イライラを解消し、幸福度を高めるには? ~四苦八苦~

私たちは、日々様々なストレスを感じて生きています。職場、家庭、学校など、あらゆる年代の人がストレスから逃れることが難しい時代です。技術の進化に伴い、世の中はどんどん便利になっているにもかかわらず、私たちのストレスは、一向に減りません。
「イライラせずに、心穏やかに毎日を過ごしたい」
「心身共に、もっと健康になりたい」
多くの人が、このような思いを心に抱いているのではないでしょうか。
私自身も日々そうありたいと思う中、最近読んだ本から得た情報をもとに、今回は、イライラを解消し、心を整えるヒントをお伝えできればと思います。
イライラしない心を育てる
人の心は、イライラを感じれば感じるほど、イライラが増えるしくみになっていると言われています。また、ネガティブなことを思えば思うほどネガティブな心に支配され、幸せから遠ざかるという負の連鎖に陥るとも言われています。
このように言われると、確かにそうだなと思い当たることはありませんか?
誰しもイライラしたくないと思っているにもかかわらず、些細なことにイラっとし、誰かに八つ当たりして、さらにイライラして自己嫌悪に陥る・・・
イライラしたところで、何の得もありません。日々、穏やかな心で、幸福度を高めるためには、イライラしない心を育てる必要があります。
イライラが起こる要因や解消方法は、以下のコラムも参考にしてみてください。
イライラしない心を育てるためには、自分の心がマイナスに傾いた時、すぐに気がついてフラットな状態に戻すことができれば、人に当たったりするなど、周りに不快な思いをさせることは減りますし、穏やかな心を取り戻すことができます。
しかし、人は出来事に対して、反射的に反応してしまうところがあるので、頭でわかっていても、どうしてもイライラする感情はわいてしまいます。言うは易く行うは難しで、これには、心の訓練が必要となるのです。
人生の四苦八苦を受け止める
みなさんは、「四苦八苦」という言葉をご存知でしょうか?
誰しも一度は耳にしたことがあると思うのですが、私は、この言葉の本当の意味を知らずに、単に物事が進まず、とても苦戦している様子や、焦っている様子を表した言葉と捉えていました。
しかし、最近読んだ、大峯千日回峰行という修行を成し遂げ、仙台市・慈眼寺住職の塩沼亮潤さんが書かれた「歩行禅」という書籍の中で、以下のように紹介されており、初めてその意味を知り、はっとしました。
「四苦八苦」は、もともとは仏教用語で、人間が生きるうえで思いどおりにならないことを指します。
四苦とは「生・老・病・死」。人間としてこの世に生まれてくること、年老いていくこと、病に冒されること、そして死ぬことは、どうあがいても決して逃れることはできません。
さらに、人間であるがために味わう苦しみが4つあります。
・ほしいものが手に入らない「求不得苦(ぐふとくく)」
・愛する者と別れなければならない「愛別離苦(あいべつりく)」
・嫌な人と出会ってしまう「怨憎会苦(おんぞうえく)」
・世の中はままならないものだという「五蘊盛苦(ごうんじょうく)」これらを合わせて「四苦八苦」と呼ぶのですが、後半の4つは、避けようがない前半の4つと違い、自分の心をうまくコントロールすることによって解決できます。
そもそもこの世は、思い通りにいかないことがほとんどで、逃れられない苦しみが存在するということ。そして、心をコントロールすることで軽減できる苦もあるということです。
ストレスやイライラの要因は、もとをたどれば、思い通りにいかない出来事や、期待はずれな事に対して、自分の心が反応して起こる事象です。
特に最近は、便利な世の中となり、ネットでボタン一つで買い物ができ、当日に物が届くのが当たり前の時代です。そんな世の中になったからこその弊害とも言えるのが、ちょっとした不便さや不自由さに耐えられない人が増えているということです。
現代は、思い通りにいかないことへの耐性が弱くなっているかもしれません。
著書の中では、思い通りにならないことへの考え方として以下のように紹介されています。
心配、不平不満といった心の動きは、自分の外側からもたらされることに対する反応です。外的環境は、自分ではコントロールすることができません。そんな人生の「どうにもならなさ」を、どうにかしようと思わないことが実は意外と重要です。自分の思いどおりにならないことに対して、どうにかしたいと思う心のとらわれを今すぐ手放しましょう。
そのためには、目の前の出来事に一喜一憂しないことが肝心です。困った事態も、苦しい状況も「しょうがない」と、自然体でフラットに受け止めましょう。そう、心の針がマイナスに振れないようにするのです。そして、悩む時間を減らすことにフォーカスしてください。
一番ダメなのは、怒りにまかせて誰かを責めたり、他人を妬んだりすること。これらは自分から不幸の海に飛び込むような行為です。
不平不満にとらわれるのではなく、明るい要素や感謝すべきことに目を向ける努力をすることが、人生の幸せへの第一歩です。
まとめ
イライラを解消し、心を整え日々穏やかな心で過ごし、幸福度を高めていくためには、まずは、イライラしない心を育てることです。
イライラしたら、そんな自分に気づき心をフラットな状態に戻すことを意識する。イライラした感情に乗っ取られたまま、次のアクションをしないことです。
また、人生には「四苦八苦」があり、何事も思い通りにいかないのが当たり前と受け入れること。そして、どうにもならいないことを、何とかしようと思わず、あるがままの状況を受け入れることです。また、人である以上、イライラの感情がまったくなくなることもないでしょう。
私たちは、ともすれば一日に何度もイライラしたり、心配・不安といったネガティブな感情に心が振れることがあります。その度に、心を鍛えていけば、些細なことでイライラせず、日々の幸福度は高まっていくのではないでしょうか。
※参考「歩くだけで不調が消える 歩行禅のすすめ」 (著者)塩沼 亮潤
Copyright © 和の大学 All rights reserved.