日本の伝統行事。その由来や意味を知っていますか?

子供に「なぜやるの?」と聞かれてなんて答えますか?

子供を産み育て初めて、日本には数多くの通過儀礼及び年中行事があることを思い出します。

日本には古くから、誕生・成人・結婚・死という一生の大きな節目ごとに様々な儀礼が行われてきました。
しかし、親の庇護下を離れる成人式以降、自ら進んでそれらの通過儀礼・および年中行事を行うことも誰かを通じて体験することも少ないので、どちらかというと昔経験した記憶のまま、その意味や歴史を考えることもないまま、自分が子育て世代になって初めてそれらの行事や意味を改めて考えることになります。

場合によっては、意味を考えることもなく、なんとなく皆がやっているから、自分の親(祖父母)がうるさいから、そういうもんだと思って行っている行事も多いのではないでしょうか?

でも、本当にそれってやる必要あるの??
今の時代にあうの??という行事もあったりしますよね。

例えば雛祭り。

決して広くはない我が家の部屋に、七段飾りの人形は邪魔なだけで置く場所がないし、西洋風人形に慣れ親しんだ世代であるがゆえに日本人形のリアルさに戸惑いを感じてしまうのが正直な所。

最近では、七段飾りを見るのも、写真屋さんやどこかのイベント会場だけの地域も多そうです。

また、一般的に言われる雛飾りは「嫁入り道具」であり、「片付けが遅れると婚期を逃す」というような言い伝えもあるなど、いずれにせよ「結婚」を強調するような飾り付けの見た目や物言いに、必ずしも結婚が人生の全てではない現代または未来において、それを強要するような暗示を子供にかけてよいものか?疑問が湧きます。

実際に由来を調べると、「人形に自分の災いの身代わりになってもらう」ことがもともとの意味とされているようですが、見た目だけで考えたらどう見ても「幸せな結婚式の形」を表している人形ですよね。

最近は、子供にも「なぜ雛祭ってあるの?」などと行事の意味を聞かれることもしばしば。

あなたはいくつそれらの意味をこたえられますか?
何となく執り行ってきた行事。

現代にはそぐわないただの伝統行事ではなく、現代の子供にも納得のいくような説明を、現代版にアレンジして語り伝えてあげたいですね。

通過儀礼及び年中行事の意味、いくつ答えられますか?

そこで、今回は主な年中行事及び通過儀礼、その由来を改めて考えてみました。

1.妊娠から出産まで

昔は結婚した男女にとって新しい労働のにない手となる家族を迎え入れることが何よりも大事とされていたうえに、高い幼児死亡率を伴っていたので、その住み暮らす土地の守り神を祭った祠などに子宝に恵まれるよう祈願する風習がありました。

更には、妊娠5か月目ぐらいに行われる戌の日の帯祝いは、犬が多くの仔をやすやすと産み落とすことにあやかろうとする儀式であり、さらには近隣の人々とお祝いをすることで、出産の正式な予告をするとともに、家族と近隣の人々がともに出産の無事を祈るという
共同体の結束と愛情をもたらすうえでの儀式だったとされています。

2.出産から初宮参りまで

現代では病院で出産することがほとんどなので、行うとしても出産して7日目に祝うお七夜にて命名式を行うぐらいが最初の主な行事になりますが、昔はそれに加えて、「産立飯(うぶだてめし)」といって出産後すぐに産神に供える飯を炊いたり、「産衣の祝い」といって生まれた子供に初めて産衣を着せる儀式を行ったりしたうえで、子どもが生まれて約1か月後に初宮参りを行うことで、誕生儀礼が終わるとされてました。

これらを通じて、新生児の健康を祈るとともに、親としての責任を改めて自覚させる
効果を狙った儀式であったと考えられています。

3.お食い初め

生後100日に行う儀式で成人と同じ食べ物を揃え、食べる真似をさせます。お膳の上に石を添える地方が多く、歯が固くなるようにという意味を込めて「歯固めの儀式」とも呼びます。あるいは、初めて箸を使う儀式なので「箸揃えの儀式」と呼ぶ地域もあります。いずれにせよ、成人と同じ食べ物を形だけでも食べることによって、成長を祝い、健康に育つことを願う重要な儀式とされています。

4.初節句

生まれて初めて迎える五月五日(男児)と三月三日(女児)の祝い。
子供の祖父母から男児には武者人形や鎧、兜やこいのぼり、女児には雛人形が贈られます。どちらの祖父母が贈るかは地域によって異なるようです。

また、五月節句は、中国の故事との結びつきも深く、雛祭のように人形や兜が子供の身を守ることを表しているだけでなく、子供の立身出世の願いもかけられていたようです。

5.七五三

三歳の男女、五歳の男、七歳の女の子が11月15日に今までの成長を祝うとともに、
今後の健康を願う儀式。
昔は子供の死亡率が高く七歳まで生きるのが難しいとされたことから、今後の健康を願うための通過儀礼として神前に参詣し、お祓いを受けました。
昔は数え年で行ったが、現代においては満年齢どちらでもよいとされています。

6.節分

一般的には「鬼は外、福は内」の掛け声で豆をまく行事。
もともとは中国から伝来した行事に由来し、鬼という邪気の象徴の魔の目(魔目=まめ)に豆をぶつけて魔を滅する(魔滅=まめ)という語呂合わせからきているとされています。
それを一家の家長が家族全員がそろった中で、夜にまくのが典型的な豆まきの仕方であります。

家族の行事であり、一家の団結と健康をはかるということが節分の行事の意味合いだと思われます。

7.七夕

七月七日は元来、中国の星祭です。
おりひめは縫製の仕事を、ひこぼしは農業の仕事をつかさどる星とされていました。
そこから縫製や機織りの手仕事が上達するように願った技術教育のための節供であったのが現代においては、さまざまな願い事をする風習と変化していったようです。

子供の知識や技術の向上を子供に意識させるという意図においても、大事な行事だといえます。

まとめ 子供のための伝統行事になるために

一部ではありますが、こうして通過儀礼や年中行事をみてくると、その背後には、家や共同体(地域)、あるいは祈り(神)が存在しています。
しかし、現代社会においては、信仰も薄れ、共同体や家の結びつきが薄くなりつつあり、これらの儀礼・行事は一見無駄なものに見えます。

さらに、具体的な意味を知らずにただのイベントとして行っている場合も多く、これらの儀礼・行事がいつしか風化していく可能性が高いです。

だからこそ、その意味や目的を改めて感じながら行うだけでも、家の団結を深めたり、子供への教育効果を高めたり、地域に対してもっと結びつきを深めていこうという気持ちになったりするのではないでしょうか。

いわば、それを執り行う人々の目的意識の向上が儀礼や行事を行う本当の意味であり、信仰も薄れ、共同体や家の結びつきが薄くなっている現代社会であるからこそ現代にそぐう現代なりの新たな意味を作り出せばよいともいえます。

 

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