「〇〇道」からみる日本人の特徴

「道徳」「道に反する」など、人間性を表現する際に、日本人は「道」という言葉をよく使いますよね?

私もアントニオ猪木さんの名言?(元は一休宗純氏の言葉だと思いますが、、)

‘’この道を行けばどうなるものか、危ぶむなかれ。危ぶめば道はなし。踏み出せばその一足が道となり、その一足が道となる。迷わず行けよ。行けばわかるさ。‘’

が好きです。
なぜ、日本人は「道」が好きなのでしょうか?日本人にとっての「道」とは何か?

本日は「道」について考えていきたいと思います。

「道」とは何か?

古代中国で老子が語ったとされる「道(タオ)」以来、「道」という漢字は事物や世界、人生等の本質および本質に迫ろうとする生き方を意味するようになりました。

老子や荘子の思想を受け継ぐものを道家といい、その思想が宗教的に変遷したものが道教です。 この「道」という概念の影響を受けて、日本の古代宗教は「神道」となり、立花は「華道」に、茶の湯は「茶道」に変遷していきました。

「道」とはプロセス、過程のことをいいます。
例えば、お茶の道というものは、どこへ行く道なのかというと、茶というものを媒体にして、人生とか自然の悟りを得るための道なのです。
つまり、悟ろうとする努力の過程が「道」なのであって、悟ってしまったら、それはもう「道」ではなくなってしまいます。
したがって、日本における「道」の思想が、西洋の「術」と違うのは、未完の美に価値を置くところなのです。

完成したものを、日本人は美と思わないようなところがあります。
余談ですが、プロ野球よりも高校野球の方が日本で人気が高いのもこういうところからきているのかも知れないですね。

「道」と「術」の違いは?

武術や芸事に「道」がつくようになるのは、明治時代のことです。
江戸時代はみんな「術」でした。剣道は「剣術」もしくは「撃剣」、柔道は「柔術」、弓道は「弓術」です。
また、茶道は「茶の湯」、華道は「立花(りっか)」、書道は「書」もしくは「手習い」、香道は「聞香(もんこう)」といいました。

こうした武術は江戸時代以前は武家がたしなむものでした。芸事も武家の子女や裕福な町人のもので、大名家などから手厚く保護されていました。しかし、明治維新をむかえて封建体制が崩壊すると、武術を習う者がいなくなり、芸事の家元たちは大名という庇護者を失ってしまいます。武術の師範や芸事の師匠は失業の憂き目にあったわけです。
そこで、こうした武術や芸事は顧客層を新規に開拓する必要があったのです。ターゲットは庶民です。

江戸時代のあいだ、庶民層には武士にたいする一定のあこがれがありました。やはり武士、および武家の子女の超然と誇り高い様子は庶民に尊敬されていました。

そこで、こうした武術や芸事を習えば、武士のように立派になれますよと宣伝したのです。
もはや四民平等ですし、軍備も鉄砲や大砲の時代ですから、武術そのものに実用性はありません。実用性がないなら、強調すべきは精神性しかないわけです。
そこで、武士道の「道」をつけて、精神性を強調したのが剣道や弓道というわけです。

明治政府もこれを後押ししました。というのも、それまで軍事は武士がやるものでしたが、「国民皆兵」のスローガンをかかげて徴兵制を布き、百姓のせがれなどを兵隊さんにするようになったからです。
「おまえらは陛下の兵隊、新時代の武士(もののふ)だ」というわけで、百姓のせがれにも兵卒としての誇りを植え付けます。そこで利用されたのが「武士道」だったわけです。

明治時代に「武士道」がリサイクル利用され、それにさまざまな武術や芸事が便乗して精神性を強調したのが「〇〇道」の正体です。

「道」から何を学ぶのか?

日本の「道」という発想から学ぶのは、技術ではなく、技術を通して、その裏にある「精神」、自然から学べる静かな心や精神状態、人間関係をスムーズに深くしていく心だと思います。
ですから、そこには発展や進歩という概念はありません。
西洋の芸術が、つねに新しいものを求めて発展進歩をよしとするのと、ここで根本的に異なっているのです。

つまり、人間関係など日本人の集団でうまくやっていくためには、ある程度は「道」に関する、プロセスを大切にするという価値観を理解しておくと今よりも少し、働きやすくなるかもしれないですね。

 

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