日本語の「由来」から紐解く、先人たちの叡智と温もり ~「ゆるす」「いらいら」~

みなさんは、外国人の方に「こんにちは」「さようなら」などの日本語について、「その言葉の意味、語源や由来は何ですか?」と尋ねられたら、すんなりと答えられますでしょうか?

例えば、英語の「グッド・バイ」とは、もとは「ゴッド・バイ」。
「ゴッド」は神様で、「バイ」は、そばにという意味があり、「神様よ、あなたのそばにいて見守ってくれますように」といった意味があるそうです。

普段、私たちが当たり前のように使っている日本語。
その語源や由来をきちんと理解していない方も多いのではないでしょうか。
私も、その一人で、改めて考えることもないまま、生まれてから数十年・・
日本に暮らしています。

実は、日本語にはその由来を知ると、ちょっと幸せな、あたたかい気持ちになる言葉がたくさんあるのです。

今回は、いくつか簡単にご紹介させていただければと思います。

「ゆるす」とは、そう簡単にはできないこと??

「ゆるす」という言葉を聞いて、どんなことがまず頭に浮かびますか?

段取りの悪い部下に、ちょっとイライラしたけど、時間が経てばゆるせること、暴言を吐かれ傷つき、どうしてもゆるせない人、親、恋人、友人など、傷つけられたり、傷つけてしまった人や出来事、誰かを憎んだり恨んだりしている感情など、「ゆるす」という言葉には、マイナスなエネルギーを感じる人も多いかもしれません。

一方、人生の知恵を語る本や心理学では「相手をゆるすことで幸せになる」と語られていたりしているのを、一度や二度耳にしたことがある人も多いかと思います。
私たちは、そこにも真実を感じます。
だからこそ、ゆるせるものならゆるしたい、けれど難しいのです。

また、人を「ゆるす」のが難しいのは、「許」「赦」といった漢字が頭に浮かび、100パーセント認めるか否かを迫られているように感じてしまうからです。
しかし、本来「ゆるす」の意味は、そんな堅いものではなく、ぎゅっと絞っていた心の入り口を少しゆるくするという意味があるのです。

日本語の「ゆるす」は、心を「ゆるめる」こと。
ゆるすの「ゆる」の語源は、「ゆるめる」「ゆるい」状態にすることです。

私たちのご先祖様は、「ゆるす」という言葉を作り、伝えることで、一度に100パーセントを目指さず、ゆっくり進む、という人生のヒントを授けてくれたのではないでしょうか。

言葉の由来は、「いらいら」解消にも役に立つ?

日本語には、雨が「ざあざあ」降っている、心臓が「どきどき」するなど、同じような言葉を繰り返し使う「擬音語」や「擬態語」が存在し、近年では、「オノマトペ」と呼ばれていたりしています。
日本はこの「オノマトペ」の数がとても多いと言われています。

私たちが、日常でよく出くわす感情のひとつの「いらいら」もその言葉の一つです。

では、このちょっとやっかいな「いらいら」という感情の語源は何なのでしょうか?

「いら」とは、「イラクサ(刺草)」に由来しており、植物に詳しくないとその形状がぱっと頭には浮かびませんが、茎にも葉にも小さなとげがたくさんついています。
つまり、「いら」とは「とげ」のことを指すのです。

昔の人は、怒ったり焦ったりしている人を見て、心にもとげがあるというイメージを持ち、そうした状態になることを「いら立つ」と言い表したのです。

自分が「いらいら」した時や、「いらいら」している人が近くにいる時は、ちょっと立ち止まり、「とげとげのハート」をイメージしてみてください。

今、自分のハートはとげとげになっている、あの人は今、とげとげのハートだ。
自分の心の状態に気づけば、整えることで、切り替えることができます。
「いらいら」した出来事は一旦横に置き、自分の心の形をイメージして、そっと、「まあるいハート」に整えてあげてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は、「ゆるす」と「いらいら」の言葉の由来をご紹介してみました。

私たちが使っている言葉は、どんなありふれた単語であっても、かつて誰かが生み出し、多くの人々によって育まれてきたものです。

日本語の由来を知ることで、先人たちの叡智や優しさにふれ、現代の私たちのこころを癒してくれます。

日々、忙しく働く私たちにとって、イライラする出来事は日常茶飯事です。
そんな時は、ぜひ、本日ご紹介した言葉の由来を思い出してみてください。

とげとげハートに気づき、ぎゅっとなった心の入り口を少しゆるめる。

先人たちが生み出した言葉に耳を傾け、その叡智に励まされたり、見守られていることに感謝しながら、日々を過ごしていけたら幸せですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。
どうぞ、素敵な一日をお過ごしください。

参考書籍:「日本の言葉の由来を愛おしむ―語源が伝える日本人の心」高橋こうじ(著)

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