【和をたしなむ、和を遊ぶ 4】自分らしく楽しむことが和文化と長く付き合える秘訣

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このインタビューの最後は、趣味としてたしなんだ「和事」を、どう続けていくかがテーマです。
仕事と雑事に追われ、せっかく自分の中で根付きかけた和の文化が、いつの間にか無になってしまうのなら、残念すぎます。
そこで、「続けていくこと」のノウハウを、和の大学株式会社 代表取締役社長の上林周平が、近藤修太郎さんにインタビュー。
茶人であり続ける近藤さんに、和事と付き合い方を学びます。

100円均一の道具でも茶道は楽しめる

(上林)茶道のような伝統文化を、長く自分の中で趣味として持ち続けることは、なかなか難しいことだと思います。

(近藤) そう、よく「私はお金もないし、やる場所もないからできない」っていう人がいます。でも考え方を少し変えたらできるのではないか、と思います。
全部道具をそろえようと思うから無理、となってしまうけれど、代用すればいいと考えられないでしょうか?

僕はベンチャービジネスの世界にいるから、新しいビジネスを提案しても、「お金がなくてできない」と言われることが多いです。だから、お金をかけずにやる方法をいろいろと学びました。
茶道も同じです。そもそも茶道は、究極茶筅があればできる。茶碗はご飯茶碗で代用できるし、茶杓はスプーンでいい。抹茶はデパ地下でも買える。
唯一、代用がきかないのは茶筅ですが、これだって3000円ぐらいのものです。

茶室がなくても、テーブルでお点前をすることは、茶道では当然に認められていること。であれば、躊躇する必要がありません。
僕はあえて、100円均一のもので茶会をする「100均茶会」をやったことがあります。「無印茶会」とかね。「お金がなくて高いものが買えない…」と卑下せず、「これぜんぶ100均でそろえたよ!」と前向きにとらえればいいと思います。

自分の中に制約をつけすぎない、肩に力を入れすぎないということでしょうか。

そうです。僕が師事しているお茶の先生も、「細く長く付き合いなさい」と言います。

「あんまりがんばって太くしようとすると、疲れていやになったりするから。切らさずにずっと付き合うことがいいことなのよ」と。

生徒さんの中には、産休を2回とって、途中休みながら、それでもお茶は続けているというような女性が何人もいます。
男性はすぐ、短い時間で達成感を持とう、成果を出そうとしますが、「楽しくて、お菓子が食べられるからいい」ぐらいの気持ちで続けていくほうが、和文化を長く楽しめると思います。

茶道には終わりがなく、元気なら90歳でも教えられる

近藤さんは、茶道を始めて13年目になりますが、今後も続けていくのですよね。

茶道には終わりがありません。一生できるものを運よくみつけたことに感謝しています。
僕が元気で居続ければ、80歳でも90歳でもお茶を教えることができる。お茶の世界ともつながっていくし、多少なりとも収入もある。

30歳から教えているので、80歳まで教えたら50年間生業にできるのです。もちろん、稼がなくてもいいし、ただ付き合うだけでもいい。
この先、60歳、70歳で、必ずだれでも給料をもらう仕事はいやおうなしに一段落つきます。でも、茶道は強制的に切られることは絶対にないですからね。

ライフワークとして和文化に親しむこともできるのですね。

僕の仕事の大先輩で、つい最近定年退職された方が、僕のところにお茶を習いに来ています。4年ほど前からご夫婦で来てくださっているのですが、すごく飲み込みが早くて、若い人たちと比べて、まったく遜色がありません。
しかし、「早く上達したいわけではない。楽しみたいのです」とおっしゃる。それでいいと思います。楽しみ方は人それぞれです。自分のペースで楽しむことこそが、長く続けていくコツなのだろうと思います。

和の大学では、さまざまな和の文化を提示して興味を持っていただこうと思っています。が、最初の一歩を踏み出しにくい人は多いと思うのです。そんな方々に、どんな言葉をかけて差し上げればいいですか。

そうですね、とりあえず茶道でしたら、日本の四季をしみじみと感じられるのがすばらしいと思うのです。和菓子も、春なら桜を、初夏なら紫陽花をかたどったお菓子を食べることで、季節を感じることができますし、床の間の掛け軸は季節に合わせて架け換え、花も季節の花を飾る。
そういう日本の四季を感じることはとても心が整い、また楽しくなりますよ、と。

敷居が高いといっても、日本に住んでいるのであればやはりどこか気持ちにしっくりくるのが和文化です。
流行っているからとか、オリンピックで外国人がたくさん来るから覚えておこうとか、そういうふうに考えず、ご自分の感性で、好みで、和の文化を楽しんでもらえるのが、結局は長く楽しめるコツだと思います。
細く、長くお付き合いしてみてください。

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