知っておきたい日本語(4):さようなら

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当たり前のように使っている「さようなら」

先日、子供の保育園に行った時、大きな声で「さようなら」と聞こえてきました。元気があって、微笑ましかったですし、自分自身も幼稚園や小学校の時に「さようなら」と元気に言っていたのがフラッシュバックしてきました。

人生の中で、「さようなら」って何回言ったんだろうか?
自分自身が生涯使っている言葉の中でも、かなり多い方の部類に入る言葉だと思います。

では、そのような

英語で言うと「Goodbye」などが多く、(あなたのそばにいつも神様がいらっしゃる)という意味であり、それ以外では「See you again」(また会いましょう)を使うこともありますがですが、日本語はなぜ「さようなら」になっているのでしょうか。

皆さんは、「なぜ、さようならって言うの?」と聞かれるとなんと答えますか?

「さようなら」の由来は?

「さようなら」の意味ですが、

語源由来辞典では、

「左様ならば(さやうならば)」の「ば」が略され、挨拶になった語。

と記載されています。今の言葉でいうと「そういうことならば」を意味するものだと思います。
略されたということではありますが、では、何が「そういうこと」であり、だからどうなのでしょうか。これには諸説あるようです。

今を受け入れ、大切にする「さようなら」

「RICOH Communication Club 経営に役立つ情報発信サイト」の記事によれば

さようならの語源は接続詞「さらば(そうであるならば)→左様ならば」にまで遡り、また「そうならなければならないならば」という解釈もあるそうです。
別れ話になって「そういうことならしょうがない」あきらめて別れましょう。
そこには、その別れに対する諦め、すなわち、別れという事実を不可避なものとしてそのまま受け入れようとする思想が含まれている。
ともするとネガティブな意味に捉えられがちな「さようなら」を別れの言葉として用いている国は世界でも稀だという。

と書かれています。
それは「もう二度と会えないかもしれない」という気持ち、ある意味「死」に結びつく背景もあるかもしれません。だからこそ、最後かもしれない今を大切にする気持ちや、何が起こるかわからない「現状を受け入れる」という気持ちが思想としてあるのかもしれません。

そういった背景を知ると、「さようなら」というたびに、今を大切にしようという気持ちになりますね。

お互い応援しあう「さようなら」

一方で、『日本のこころの教育』(境野勝悟著、致知出版社)によれば

「こんにちは、お元気ですか?」
「はい、おかげさまで元気です」
「さようなら、ごきげんよう」
これが日本人のあいさつの基本なのである。

江戸時代までは、「さようなら、ごきげんよう」といっていましたが、明治時代になると男性は「さようなら」、女性が「ごきげんよう」と掛け合うようになり、昭和になると女性もほとんど「ごきげんよう」を言わずに、「さようなら」だけを言うようになったとも言われています。

では、「ごきげんよう」を由来・語源辞典で調べると、

ご機嫌よくいらっしゃいますね、あるいは、ご機嫌よくいらしてくださいの意で、相手の健康を祝したり、祈ったりする気持ちが込められている。

となっており、人を祝したり、祈ったりする気持ちが含まれています。
今風に言うと「いいね、お互い頑張ろう!」というところでしょうか。

そういった背景を知ると、「さようなら」と言うたびに、相手を尊重する気持ちやエールを与えていることになりますね。

まとめ 「さようなら」を大切にする

略された結果、「さようなら」になっている事実。だからこそ、本来的な意味を意識しないで使ってしまいます。日本語として、古くから使われている言葉であり、その背景にある思想は、今や人を大切にしていく気持ちが多く含まれています。

そういったことを噛みしめならば「さようなら」と言ってみる。
そうするだけでも、人間関係をさらに良くする効用があるのではないでしょうか。

「さようなら」という言葉、大切にしたいものです。

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